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開いたノートの前で両手を軽く開き、穏やかに微笑むAodaのAI生成イラスト

よくある詭弁と思考のクセを点検して、今までとこれからの自分に優しくしたい

•9分•4,240文字

Claude Codeを使うようになり「チャット」機能はあまり使わなくなった。そこでは背景情報の要らない軽い疑問や調査のみを行う。普段のリサーチや作業補助をしてもらうときは、Obsidian保管庫に自分の生活知識を貯めたものを参照させ、Claude Codeでコーディング以外のことも助けてもらっている。この保管庫を「ツムンテマWiki」と名付けている。以後、単に「Wiki」と書くことにする。

私は自省的な考えにふけることがあり、ふと思いついた。AIエージェントに私の思考のクセを分析させてみようと。今まで何度か気になる疑問をリサーチさせるとき、前置きとして「今(調べる前は)自分はこういう考えだよ」というのも合わせて送っていて、その内容も記録としてWikiに貯まっていたから。これを分析させ、併せて簡単なテストを出してもらうことで検証を行えば、長年自分を苦しめてきた自責の声に対処しやすくなるのでは、と。早速やってみようではないか。

結論

  • 私や他の誰かを責める自らの声は、詭弁と同じ手口を使う。
  • 私に多いクセは「文章や発言から分からないことを一番痛い想像で埋める」。
  • 冷静になってから軌道修正する力はもう持っている。
  • 私の課題は、感情が動いたその場で検証が働かないこと。
  • 目印となる思考のキーワードに気づき、その場での判断を保留することが対策。
  • 人間に備わる思考のクセが私を苦しめていたことを知り、少し気が楽になった。
  • チャットAIで事実・感情・推測を分けることは容易い。思考の補助輪として使う。

一般論の話から

  • 「バーンズの10パターン」は認知行動療法で知られる分類で、誰にでもある考え方の偏りである。(参考:バーンズ本人の解説)
  • 脳が手間を省くための仕組みとして認知バイアスがあり、詐欺や論破に利用される。
  • よく使われる詭弁も多数存在し、建設的な思考を阻害する。
  • 詐欺の手口には、相手を焦らせて考える時間を奪うものがある。すぐに決めず、事実を確かめたり誰かに相談したりすることが対策になる。(参考:金融庁の注意点)

一般論の説明は短くして、私がやってみた内容と、それについて思ったことを書く。

私の思考のクセの中身

Claude Codeに5つの問題を作らせ、自由記述と選択を行った。出題中はヒント・答え・出典を見せない。掲載にあたり、問題文の表現を一部一般化した。

問1 SNSの返信

あなたは友人Aさんに、チャットで「今度の作業、手伝おうか?」とメッセージを送った。2日経ってもAさんからの返信はない。その間、Aさんは自分のSNSアカウントで別の人の投稿に「いいね」をしていた。

  • (a) Aさんが返信していない理由として考えられるものを、思いつく限り書く
  • (b) その中で一番ありそうなものを1つ選ぶ
  • (c) 腹が立つ度合い(1=全く〜5=とても)
  • (d) Aさんはわざとそうしている度合い(1=全く〜5=間違いなく)

問2 グループチャット

グループチャットで、あなたが長めに自分の考えを書いて送った。直後、別のメンバーBさんが「そういえば昨日のライブ見た?」と全く別の話を始め、みんなそちらに流れていった。

  • (a) ~ (d) は問1と同じ

残りの3問は頼みごとを手伝った相手からの短いお礼、本文から言える事実・そうでないことの見極め、短いDMから言いたいことを読みとる問題だった。

クセが強く出た回答

問2に対して私が最初にした回答はこうだった。

明らかに私に対する集団での嫌がらせである。それ以外考えられない。

腹が立つ度合いも、相手がわざとそうしている度合いも、5段階で最大の5を付けた。

問題文に書かれているのは、別のメンバーが話題を変え、みんながそちらに流れたことだ。「私への嫌がらせだった」とも、「みんなが私の発言を読んでおり、その上で無視した」とも書かれていない。私の回答には問題文に存在しない情報が付け足されていた。

全く別の話を始めたというところに即座に反応し、文章から読み取れないことを埋める形で「みんなに無視されたんだ」という負の感情が自動的に走った。他の可能性を考える力が上手く働かなかった。

同じ問題への再回答

その後、Claude Codeで一度分析を入れてから同じ問題にもう一度答えたときには、7つの理由を挙げた。違う話をしたい気分だった、長文を読む気がなかった、そもそも送信できていなかった、といった候補を出すことができた。

比べたもの最初の回答考え直した回答
思いついた理由嫌がらせの1つだけ7つ
腹が立つ度合い51〜2
わざとそうした度合い5情報不足で判定不能

回答の要点は、この文章だけでは詳細が分からず、どれかに決められないというものだった。相手の意図についても、さらに情報が必要だと答えている。

問題文は同じなのに、私の回答が変わった。

今回の再回答では、指摘を受けて冷静になると、他の可能性も考慮に入れられた。判断を保留することもできた。感情的になった瞬間に結論を急がないことが大切だと実感した。

5問の記録の限界

これはClaude Codeが作った5問に答えた1回分の記録で、科学的な裏付けのある検査ではない。再回答では自分のクセを調べていると私が認識したうえで、時間をかけて考えている。これから実際の場面で同じようにできるかは今後の訓練しだいだ。

問5では逆に、短い文面に書かれていない理由や意思を好意的に補っていた。Claude Codeは悪い方向に読むことだけでなく「書かれていない情報を1つの意図で埋めて確信する」ことが共通しているのではないかと分析している。

Wikiの振り返りに見られたパターン

Claude CodeはWikiの振り返りに残っていた「当初の考え」12件も点検した。最も多いと分類したのは「分からないことを最も痛い想像で埋める」パターンで、12件中5件だった。

Claudeが整理した主なパターン例えば
分からないことを最も痛い想像で埋める挨拶が返ってこなくて「嫌われているんだ」
1つの出来事だけで自分の価値を断じる1回の面接に落ちただけで「私は必要とされていない」
感情が強いときの白黒思考挨拶が返ってこないと、「好かれていないなら、嫌われているに違いない」と決める

この分類は選んだ12件についてのClaude Codeの見立てだ。これだけで私の思考の全てを判定することはできない。

一番上の「分からないことを最も痛い想像で埋める」という分類を知ったことで心が晴れ晴れとした。少なくとも今回の問2では、嫌がらせだという私の確信を裏付ける情報は、問題文にはなかった。分からないことは分からないままにするか、関係を大切にしたい相手には直接意図を聞けばいい。聞いたからといって正直な答えが得られる場面ばかりではないが、推測だけで自分や誰かを責めていては健全な意思決定はできない。

自分を責める言葉も点検してみる

Wikiでは1つの出来事から全体を決める考え方を「早まった一般化」に、行動から人格全体を責める考え方を「人身攻撃」に重ねて整理していた。

一つの出来事から「自分はいつもこうだ」とくよくよしたり「自分はなんてダメな人間なんだ」と思うことで、課題に向かう思考を放棄しがちである。他の誰かに対してもそのような極端な考えに陥ることがあり、その都度キーワードに気づいて、考え方を点検する必要がある。

その場で結論を出さないために

Wikiにはその場で気づくための合図と、自分にかける問いを残した。

合図になる言葉自分にかける問い
「明らかに」「それ以外考えられない」相手の発言に、それは書いてあるか?
「必要とされていない」「嫌われた」相手に確かめたか? 確かめられない話ではないか?
「いつも」「どうせ」「自分はダメ」何回中の何回か? 反対の証拠はないか?
「やめたい」「今すぐ」「これ一択」今の感情は5段階でいくつか?

合図に気づいたあとの手順も次のようにまとめてある。

  1. 自分の名前を主語にして「ツムンテマは今、分からないことを痛い想像で埋めようとしている」と心の中で実況する。
  2. 感情の強さを5段階で付ける。
  3. 3以上なら、その日は結論を出さず、翌日に回す。
  4. 翌日、確かめたことと想像したことを2列に分けて書く。

これはWikiに残した手順で、現実の場面で試してはいない。まずはこの手順を何度も読み返して、感情が動いたら反射的に思い出せるよう訓練が必要だ。冷静でないときこそ、自分を俯瞰するクセをつけるといいかもしれない。

AIを思考の補助輪として使う

今回、Claude Codeには問題の作成、回答と問題文の照合、Wikiの記録から共通するパターンを探す作業を手伝ってもらった。

AIに整理を頼むには、まず自分の状況を文章にする必要がある。書いた文章に含まれる情報は、AIに整理してもらえばいい。自分が悩んでいる人間関係や課題における事実・感情・推測の分離を手伝ってもらう。より良い方向に進める冷静な判断を、自らの責任で下せるようになればよい。

今までとこれからの自分に優しくしたい

自分が悩んでいたことは元来人間が備えた思考のクセが強く出たものであり、対処法が身についていなかっただけなのだと安心できた。自分に一番近い自分自身が、これからはもっと自分のことを大切にしてあげようと決意を抱いた。

これを書いている間も、昔にそのような思考で苦しんだことを思い出した。そして、書き終わった文章をもう一度推敲させたところ、その思考のクセが抜けていない部分が新たに見つかり、案を見たうえでまた直してもらった。自分の内面と向き合う執筆に集中しすぎたが、自分の考えをまとめる行為は非常に重要で、これからも続けていきたい。悩み抜いた末の選択が、明日の自分をより良い方向に進めることを願って。


構成案の作成とWikiの記録をもとにした下書きにCodexを使い、本文は自分の言葉で書き直した。思考のクセを点検する問題の作成と記録の整理にはClaude Codeを使った。

見出し画像:AI生成/キャラクター:Aoda(ツムンテマ)